関係者コメントの記録「日本博物館協会」

地下収蔵庫浸水の第一報を受けたのは、仕事で滞在中のブダペストのホテルで、被害の全容を理解したのは1週間後のことでした。災害発災直後の対応の重要性を訴えてきた自分が、しっかり対応できなかった反省とともに、日本博物館協会(以下日博協)も、どんな時でも組織として迅速に対処できる体制づくりに取組みたいと思います。

被害を受けた収蔵庫に最初に入らせていただいたのは、元館長の故加藤有次先生をお訪ねした時のことで、その後も何度もお世話になりました。写真や漫画など、ユニークなコレクションと活動には、いつも刺激を受けてきました。

個人的にも思い入れのある資料の被害には心が痛みますが、神奈川県博物館協会はじめ、国立文化財機構や全国美術館会議等の団体とともに、日博協も微力ながら救出のお手伝いをさせいただいてきました。2020年にはコロナ禍に見舞われ、当事者の皆さんのご苦労が偲ばれるなかで、川崎市はじめ関係者の前向きな心強い取組みが光ります。特に指定管理者として運営を担い、苦境に置かれながら、全力で復旧に取り組まれたアクティオ(株)を中心とする現場の皆さんのご努力は特筆に値します。

ゴールまでは未だ長い道のりですが、この苦しい時期を乗り越え、新たな博物館の姿を、皆さんと一緒に見届けることを楽しみにしています。

(掲載写真:博物館収蔵品レスキューの朝礼の様子)

公益財団法人日本博物館協会 専務理事 半田昌之 
https://www.j-muse.or.jp/