ごあいさつ
令和3年度より、ウェブサイト上に「the 3rd Area of “C”―3つめのミュージアム―」をオープンしました。“C”とは、旧市民ミュージアムの建物を上から見るとアルファベットの「C」の形をしていることにちなんでいます。「the 3rd Area(3番目の場所)」には、館内の事業、外部の会場で行うアウトリーチ活動に続く、3つめの活動の場(エリア)にしていきたいという思いをこめました。収蔵品や川崎市ゆかりの作家の作品などをご覧いただくことは当館の使命のひとつであると考えています。このページを通して、多くの方が文化芸術に親しむ機会を作ることができましたら幸いです。
LINE UP
路地の記憶 ヒップホップ的なるものの社会史
2024年7月開催のパリオリンピックでは、追加競技としてアーバンスポーツのひとつであるブレイキンが初採用されました。JR武蔵溝ノ口駅前は、世界トップクラスのダンサーが練習していることからブレイキンの聖地として知られ、川崎市はブレイキンをはじめ若者文化のバックアップを推進しています。
これらを踏まえた上で、近現代日本における「路地(ストリート)」に焦点を当て、そこから生まれた文化を歴史的にたどる展示を行います。戦前期日本の都市で庶民に人気であった娯楽や、戦後の高度経済成長から、アメリカでのヒップホップ文化の誕生とそれらの日本への流入・定着、そして現在の川崎におけるストリートカルチャーの一端までを、大きなひとつの流れとして紹介します。世界的な文化となったストリートカルチャー及び近現代日本社会は、どのような文化的発展を遂げたのでしょうか。川崎地域を軸にして探っていきます。
River/Blue 山口幸士
川崎市出身の画家・山口幸士は、川崎の風景などを描く油彩画で注目を集めており、10代の頃から親しんだスケートボードに影響を受けた疾走感と浮遊感のある作風が特徴です。
本展では、11月に川崎市内で開催する「River/Blue 山口幸士」の展示作品と展示風景を公開します。会場は、グラフィックデザイナー・粟津潔の旧自宅兼アトリエ「粟津潔邸」と、多摩川沿いのギャラリー「川風のガーデン」。いずれも自然光が差し込み、刻々と変化する光が魅力的な空間です。
川崎や都市を独自の視点で描き出す山口の作品は、私たちが日々何気なく目にする風景に新たな眼差しを向けるきっかけとなるでしょう。