2016年04月05日

二つの部門の初ガイドを終えて

研修開始からデビューまでは半年プラスαとそれなりに時間はかかりましたが、美術館部門展示ガイドは昨年末、また博物館部門展示ガイドは本年2月末にデビューができました。

 

ガイドデビューまでの流れは美術館部門と博物館部門はほぼ同じで、①研修、②調査レポート作成、③説明原稿作成、⑤リハーサル、⑥本番ガイドになります。
研修では学芸員の方からガイド展示資料についての解説とガイドとしての基本についての講習を受けます。

 

その後自分の選んだ展示資料について、作家や作品または歴史や背景を自分なりに調べ、レポートを作成します。そのレポートを新人全員が持ち寄り、勉強会を行います。
次にガイド用の説明原稿を作成し、学芸員のチェックを受けます。
最後にリハーサルを行い、学芸員からガイドの承認をもらい本番に臨みます。

 

美術館部門では「常設オブジェの説明」が新人ガイドとしての登竜門です。
市民ミュージアムの開館記念として作成/設置された8つの常設オブジェ中、最低2つを説明できるようになる必要があります。
研修は昨年夏から始まり、本番デビューは12月7日で、ベテランの坂田さんとのペアでした。

 

「ビデオ彫刻『川崎』」の研修
「ビデオ彫刻『川崎』」の研修

 

ガイド担当作品は、川村易(おさむ)作の「細胞都市モノリス」と、山口勝弘作の「ビデオ彫刻『川崎』」です。お世辞にも良い出来とは言えませんでしたが、参加したおじいさんはなぜか大変喜んでくれました。その方は昔プロの劇団員だったとのことで、ガイド終了後一人芝居を演じてくれました。長い台詞を滔々と披露してくれたのです。
ボランティアガイドをしたからこその得られた感動でした。

 

「細胞都市モノリス」のガイド中
「細胞都市モノリス」のガイド中

 

次に博物館部門ですが、ここには多くの常設展示資料があります。
このうち3点程の資料を説明できるようになる事が新人に求められます。
研修では4人の学芸員の方から10点近くの展示資料の説明を受けました。
昨年夏から研修は始まりましたが、本番デビューは本年2月28日(日)になりました。

 

「雨乞いの龍」についての研修
「雨乞いの龍」についての研修

 

「三角縁神獣鏡」についてのリハーサル
「三角縁神獣鏡」についてのリハーサル

 

参加者は大人4人子供2人で皆優しそうな方々だったため、また先輩の柳沼さんにサブをしていただけたためか安心感があり、さほど緊張はしませんでした。
ただ3点しか話ができないので、内容はさておき、30分間どのように話を引き延ばすかということばかりを考えていました。
この3点とは「雨乞いの龍」、「万福寺遺跡」、「三角縁神獣鏡」です。
実際には参加者の熱心さに助けられ、何とか所定の時間を無事に終えることができました。
参加者も満足そうな顔をしていたのでひと安心でした。
しかし、「参加者の興味対象が上記3点以外の場合は?また厳しい参加者の場合は?」等々を考えると安心していられません。より幅広く、深い話ができるようにもっと引出を増やしていきたいと思います。

 

時間はかかりましたが、新人として最初のフェーズは何とかくぐり抜けました。
同時にガイドとして、参加者との触れ合いがとても楽しいことを実感しました。
次年度も引き続き、自分のペースで少しずつ、楽しく、ボランティア展示ガイドをやっていきたいと思います。

 

(美術館部門展示ガイドグループ・博物館部門展示ガイドグループ田辺 茂)

 

*2014年3月までのボランティア活動の様子は、こちらでご覧いただけます。

http://ameblo.jp/kawasakimuseum2010/