2014年12月01日

「日清・日露戦争とメディア」内覧会

11月1日(土)に開催された「日清・日露戦争とメディア」内覧会に参加しました。

参加者はボランティア7名、友の会3名。解説は深川雅文学芸員です。

 

展示は4章に区分され、

第1章「日清戦争とメディア」

第2章「日露戦争とメディア」

第3章「外国人の見た戦争」

第4章「日露戦争に従軍した一兵士」

となっています。  

 

第1・2章では、文字・絵・写真記録による、日清・日露戦争の民衆への伝達の様子を展示しています。

錦絵は当時の様子が色彩と丁寧な描写に基づいており、心により深く残りました。その後、外国でカメラ技術を学んできた小川一真氏による写真伝達をもとに、軍隊は写真班を立ち上げました。その技術により、鮮明な写真記録が残っています。その頃のカメラレンズの大きさは、A4サイズくらいで、映し出された画像は今のような拡大縮小技術はなく、A4サイズで現像されています。カメラマンは、そんな大きなカメラレンズを抱えて歩くので、戦場近くへは行けず、戦闘が始まる前と悲惨な戦闘後を記録として残しています。

 

 

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戦闘の中でもマンガによる諷刺は、多色刷りや動物を用いた比喩などでパンチのきいた記録手段と思いました。日本の昔話をもじった題名の本は、その色彩と話がおもしろく、足を止めて読んでしまいました。

「ポンチ」と名づけられた本は、日本語と英語のバイリンガルで記録されていて、当時の日本人の英語力を垣間見ることができました。新聞社発行の当時の新聞と号外を含め貴重な展示スペースです。

 

 

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 第3章の「外国人から見た日本」では、外国人の手による絵描写で日本をどのように捉えていたのかを展示しています。

 

 第4章では、「一兵士による家族にあてた手紙」が展示されています。軍による絵葉書もあり、2億通にも及ぶ兵士達が出す家族への手紙には、軍が力添えしていた様子が覗えました。

この一兵士が親へあてた「母上様」と記されている手紙を読んだ私は、戦争から長い時間経過しているにもかかわらず、じーんと、心に深く残りました。先に進むことだけではなく、過去の過ちや教訓を認識する時間はとても大切だなと、この展示会場で学んだ思いでした。

 

 

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この企画展を通して、教科書では学べなかった明治時代に起きた戦争記録と、民衆への伝達手段としてのメディアの果たした役割などを平易に知ることができました。

皆さんも、是非この企画展に足を運んでみてください。会期は11月24日(月・祝)までです。

 

(企画・運営グループ・イベントサポートグループ 山上)

 

 

*2014年3月までのボランティア活動の様子は、こちらでご覧いただけます。

http://ameblo.jp/kawasakimuseum2010/