2014年11月25日

『みる・きく・あそぶ ミュージアムまるごと体験』 ―ミュージアムボランティアデー 後編(ボランティアの楽しみと喜び)―

1.「昔のあそび体験コーナー」でのボランティア活動の喜び

10月19日(日)午後のイベント参加者は賑わいを見せました。等々力緑地内で行われている区民祭に参加した親子連れが、ミュージアムに流れてきたからと考えられます。ミュージアム中庭では、ボランティアの司会で川崎市立宮内中学校吹奏楽部によるコンサートが午後のスタートを切りました。吹奏楽終了後の中庭では、5人のボランティアが、竹トンボ、けん玉、ベーゴマ、コマ回しなどの「昔のあそび体験コーナー」を盛り上げました。けん玉を器用に操る子が取り巻きを感心させたり、手が小さい子どもが竹トンボを親に頼んで高く飛ばして喜んでいたり、コマが廻らないのでボランティアの指導で回すことができて喜んでいる子どもなど、世代をこえた人気のイベントでした。ベーゴマやコマ回しは、昔取った杵柄だ、とさかんに挑戦する父親や子ども以上に長く興じている親をたくさん見かけました。ボランティアは、参加者からのリクエストに対してサポートをしながら、自らも体験に興じることができました。参加者に喜びを与えられる活動をしみじみ感得でき、有意義な時間をもつことができました。

 

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2.博物館部門展示ガイドボランティアで感じたささやかな誇り

午後1時から、博物館部門展示ガイドを1回約30分、3人ずつ組になって2回実施しました。常設展示から選んだ民俗・考古・歴史の見どころを一人2点ほど説明し、最後は三角縁神獣鏡のレプリカを手にとって自分の顔を写す体験を入れたものです。日頃の2倍を超える参加者があり、いつものガイド以上に気力がより充実して話しにも熱が入りました。私の組では、子どもたちが何人かいたので、Kさんは「河童」と「せえのかみ」、「影向寺の文字瓦」、Sさんには「雨乞いの竜たち」と「鰐口」、Aさんは「川崎宿」と「万年屋」を子ども目線まで下げて楽しく説明しました。常設展示室を説明する責任を担っているというささやかな自負心を感じました。その誇らしさはボランティア活動が与えてくれる楽しみであるともいえます。

 

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3.美術館部門展示ガイド、ちぎり絵ワークショップ、ミュージアムツアー、受付・相談コーナーでのボランティアの楽しみと責任 

1)美術館部門展示ガイドは、ミュージアム開館時に常設展示された8個の美術オブジェから数点を選び、ボランティア6人が2組になって分担し午後2回解説をしました。「カノン」では、回転体が時おり動くのが不思議がられました。また人間の動きを過去・現在・未来の時間の流れでとらえた「2001・2002・2003」のオブジェや大きな壁面オブジェ「乾季」に興味をもたれた参加者も多かったようでした。作品の味わい方は十人十色なので、ガイドにはたいへん技術が要求されます。ボランティアはそこにやりがいを見いだしているようです。毎回、多くの方に参加いただき、自信を持ってガイドをしていました。

2)和紙をちぎってコラージュし、カードなどを作る「ちぎり絵」ワークショップが、午後2時から4時まで行われました。子どもの創造力は豊かで、その発想がどこから生まれるのか、優れた作品がつぎつぎ出来上がりました。作品作りに熱中する子どもの顔の輝きは、ボランティア7人の活躍の賜物と思います。ボランティアは、参加者の作品作りを熱心にサポートしていました。ボランティアの楽しみと喜びを体感できる時間を与えてくれたことでしょう。

3)午後から2回行われた職員引率のミュージアムツアーは4人(2人/回)のボランティアがサポートしました。バックヤード見学を期待した参加者は、毎回定員に達するほどでした。子どもに聞くと「とても楽しかった」「よかった」と感想を述べていました。ミュージアムの表に出ない仕事や活動を垣間見ることができ好評でした。ボランティアにとっても、参加者を誘導しながら一緒に見学でき、より深くミュージアムの役割を学ぶことができたのではないかと思いました。

4)受付・ボランティア相談コーナーでは、受付とボランティア相談の対応に加え、スタンプラリー記念品配布の活動があり、担当ボランティアのほか、担当部署の活動がないボランティアの自主参加で運営されていました。いろいろな活動イベントへの参加者の受付応接は、「安心してイベントに加わって楽しんでください」という<おもてなし>の入口です。感謝の念を持って参加者を迎える気持ちと親切な対応を心掛けていました。

 

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4.ボランティアデーのまとめ

来場者は、昨年度に比べ70%以上も伸びました。どなたも気持ちよく楽しんでいただけたと思います。半年前から企画・運営グループ(実行委員)メンバーを中心に第2回ボランティアデー企画案を実行段階まで練り上げられたことが、全体の運営を成功に導いたものと確信しています。また、ボランティアの協働態勢と各担当部署できっちりと責任を担って役割を果され、充実した活動・活躍ができたことも成功のカギでした。参加者とともにイベントを楽しみながら、ボランティア活動の喜びを享受できたものと思います。このボランティアデーを通して、ミュージアムが身近になり、来館者増に貢献できると感じています。

 

5.ボランティアデー反省会

活動反省会を兼ねた懇親会を武蔵小杉駅前で賑やかに行いました。教育普及担当職員3名の参加もあり、ボランティアデーの成果をともに喜びあい、成功の酔いとアルコールの酔いもあって熱気に包まれながら楽しく歓談しました。その後、まだ語り尽せない様子で、すぐ近くの喫茶店に場所を変えて、さらに懇親を深め合いました。

ミュージアムと市民の懸け橋となって、館の協力を仰ぎながらミュージアムを支えるボランティア活動をますます充実させていく必要があります。その活動への館側の期待も大きくなっていくことも予想されます。ボランティアデーはそのひとつの起爆剤です。次回はさらにより洗練された活動をもって、さらに多くの参加者を迎えたいものです。

 

(イベントサポートグループ・博物館部門展示ガイドグループ 青木)

 

*2014年3月までのボランティア活動の様子は、こちらでご覧いただけます。

http://ameblo.jp/kawasakimuseum2010/