10-11月 展覧会連携 国産アニメーション100周年記念《スクリーンに蘇る!アニメーション傑作選》

映像ホール / 2017年10月14日-2017年11月26日

概要

★特集展示『にっぽんアニメーションことはじめ ~「動く漫画」のパイオニアたち~』関連プログラム★

 貴重な初期短編アニメーション含め、劇場用アニメーション史上の傑作を選りすぐって上映いたします(全10プログラム)。スクリーンで鮮やかに蘇るアニメーションの美しさと奥深い歴史をお楽しみください!
 10月22日(日)には、現在発見されている最古のアニメーション映画『なまくら刀』(1917)の弁士・伴奏付き上映ならびに講演会も開催します。

【上映日】
10月14日(土)・15日(日)・21日(土)・22日(日)・28日(土)・29日(日)
11月11日(土)・12日(日)・18日(土)・19日(日)・25日(土)・26日(日)
各日11:30~/14:00~ ※1日2回上映 ※上映作品は日によって異なります。

※チラシ訂正※
本プログラムのチラシに下記の通り誤りがございました。お詫びして訂正いたします。
中面 「銀河鉄道の夜」上映後トーク開催日
誤)11.2[日]14:00|上映後16:00~トーク
正)11.12[日]14:00|上映後16:00~トーク

入場料金(1プログラムにつき)
一般600円
大学・高校生・65歳以上500円
小中学生400円
未就学児、障害者手帳等をお持ちの方及びその介護者無料

各種割引料金をご利用の方は、生徒手帳・学生証・障害者手帳など、証明できる書類等(原本)を必ずご提示ください。

※定員270名(各回入れ替え制)、開場は15分前です。
※前売り券はありません。当日先着順での販売となります(満員の際は入場をお断りすることがあります)。

【チケット販売時間のご案内】
◎朝の販売時間は 10:30~(12:30まで)→午前・午後の2回分とも販売します。
◎昼の販売時間は 13:00~(15:00まで)→午後1回分を販売します。

『パンダコパンダ』+『パンダコパンダ 雨ふりサーカス』★親子で楽しめる!


©TMS

上映日
2017年10月14日(土)11:30~
2017年10月15日(日)14:00~
2017年10月21日(土)11:30~

『パンダコパンダ』
1972年/カラー/35mm/35分/原案・脚本・画面設定:宮崎駿/演出:高畑勲

◆スタジオジブリ以前の高畑勲と宮崎駿による作品として、後年の『となりのトトロ』やジブリ作品の原型ともいえる。竹やぶの一軒家に住む少女ミミ子は、不思議なパンダの親子・コパンダのパンちゃんとその親のパパンダと家族になって楽しく暮らす。

『パンダコパンダ 雨ふりサーカス』
1973年/カラー/35mm/39分/脚本・美術設定・画面構成:宮崎駿

◆『パンダコパンダ』の続編であり、後半の水没した町を舞台にしたファンタスティックな描写が素晴らしい名作。パンダ親子と愉快に暮らすミミ子の家にトラの子供・トラちゃんが現われ、そして町にサーカスがやって来る。大雨で洪水になり町は水の中に沈んでしまうが、ミミ子たちは屋根に登って楽しくピクニックする。

コマ撮りアニメーション短編集《岡本忠成と川本喜八郎》※短編4作品上映(合計88分)★親子で楽しめる!


上映日
2017年10月14日(土)14:00~
2017年10月15日(日)11:30~

<岡本忠成作品>
1.小さな五つのお話(1974/16mm/20分)
2.りすのパナシ(1978/16mm/22分)
3.おこんじょうるり(1982/16mm/27分)
<川本喜八郎作品>
4.道成寺(1976/16mm/19分)

◆人形や毛糸・紙などを用いて、コマごとに少しずつ動かして撮影することによって、動いているように見せるコマ撮りアニメーション(ストップモーション・アニメーション)。日本を代表する作家・岡本忠成と川本喜八郎の名作から、さまざまな技法で作られた短編をセレクション。まるで美術工芸品が動き出したような、魔法のような映像世界をお楽しみください。

『くもとちゅうりっぷ』+『桃太郎 海の神兵』


1943 松竹株式会社

上映日
2017年10月21日(土)14:00~ ※上映後トークショーあり(ゲスト:株式会社IMAGICA・水戸遼平氏)
2017年10月22日(日)11:30~
2017年11月11日(土)11:30~

『くもとちゅうりっぷ』
1943年/モノクロ/35mm/16分/脚本・演出・撮影:政岡憲三/東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品

◆日本アニメーションの近代化に貢献し「日本のアニメーションの父」と称される政岡憲三の代表作。音楽やセリフを録音してから作画をあわせるプレスコ方式によって、16分間2万枚の動画枚数を用いて作られたセルアニメーション。てんとう虫がクモに狙われるが、チューリップに助けられるという童話をミュージカル・タッチで演出。

『桃太郎 海の神兵』
1945年(2016年デジタル復元版)/モノクロ/DCP/74分/演出・脚本:瀬尾光世

◆日本初の長編アニメーション映画であり、日本のアニメーションの原点ともいえる傑作。第二次世界大戦末期に海軍省の依頼で製作された国策映画として、落下傘部隊の活躍を桃太郎と動物たちのキャラクターによりミュージカル仕立てで描く。セル画5万枚の滑らかな動きと、叙情性と童心に満ちたファンタジックな魅力は、当時16歳だった手塚治虫がアニメーション製作を志す原動力となった。

★10月21日(土)14:00の回終了後トーク開催!
「『桃太郎 海の神兵』デジタル復元について」ゲスト:水戸遼平氏(株式会社IMAGICA)

初期短編集《蘇ったアニメーション》※6作品上映(合計約39分)


現在発見されている最古のアニメーション映画『なまくら刀』(1917)

上映日
2017年10月22日(日)14:00~
※上映後、アニメーション研究家・山口且訓氏の講演あり!

国産アニメーション100周年を記念して、現在発見されている最古のアニメーション映画『なまくら刀』(1917)などの初期短編作品の弁士・伴奏付き上映ならびに講演会を行います。

「蘇ったフィルムたち~東京国立近代美術館フィルムセンター復元作品特集」より
※東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品

◇◆弁士+伴奏つき上映◆◇
弁士:片岡一郎/ピアノ伴奏:上屋安由美
1.なまくら刀(塙凹内名刀之巻) [デジタル復元版・再染色版] 
1917年/作画:幸内純一/35mm/無声/染色/1:1.33/約4分[20fps上映]
2.浦島太郎 [デジタル復元版・再染色版] 
1918年頃/作者不詳/35mm/無声/染色/1:1.33/約1分36秒[20fps上映]
3.漫画 瘤取り
1929年/監督:青地忠三・作画:村田安司/35mm/無声/染色/1:1.33/約12分36秒[20fps上映]

◇◆音声つき上映◆◇
4.黒ニャゴ [デジタル復元版]  
1929年/作画:大藤信郎/35mm/3分[24fps]/モノクロ
5.茶目子の一日 [デジタル復元版]
1931年/監督:西倉喜代治/35mm/7分[24fps]/モノクロ
6.幽霊船(YUUREISEN)[デジタル復元版・三色分解光学合成]
1956年/監督:大藤信郎/35㎜/11分[24fps]/カラー

【出演者プロフィール】
片岡一郎 弁士:片岡一郎
2002年、澤登翠に入門。国内外で活動。公演を行った国は米、独、伊、仏、中をはじめとして16ヵ国。2016年に活動写真弁士として戦後初の歌舞伎座出演を果たした。これまで公演した無声映画は約350本。無声映画フィルム発掘にも取り組んでおり『Our Pet』『私のパパさんママが好き』等のロストフィルムを発見した。

上屋安由美 ピアノ伴奏:上屋安由美
愛知県名古屋市出身。桐朋学園大学作曲科卒業、同大学研究科修了。2012年より無声映画の楽士としても活動。2015年ポルデノーネ無声映画祭、2016年北京国際映画祭、東京国際映画祭、2017年タイ無声映画祭などに出演。

★上映後15:00~講演会開催! ※講演のみの入場は無料
講演「アニメーション史を訪ねた男、100年を語る」
ゲスト:山口且訓氏(アニメーション研究家)、聞き手:原口正宏氏(アニメーション研究家)


※「蘇ったフィルムたち」の企画は、フィルムの上映環境を確保するための「Fシネマプロジェクト」の一環として、コミュニティシネマセンターの会員館を中心に全国で実施するものです。
主催:川崎市市民ミュージアム、東京国立近代美術館フィルムセンター、一般社団法人コミュニティシネマセンター/協力:松本夏樹、映像文化製作者連盟

『紫式部 源氏物語』


©朝日新聞社/テレビ朝日/KADOKAWA

上映日
2017年10月28日(土)11:30~
2017年11月12日(日)11:30~

1987年/カラー/35mm/110分/監督:杉井ギサブロー/脚本:筒井ともみ

◆日本古典文学の名作『源氏物語』から光源氏の青年期を大胆に脚色し、格調高く洗練されたタッチでアニメーション化。平安貴族の世界を映像化するため綿密な時代考証がなされ、人物たちの動きを描写するため、実際に当時の衣装をまとって演じたライブアクションを撮影したビデオをもとに作画が行われた。平安の建築物を活かした空間演出、妖艶な男女の横顔が効果的な画面構成、桜の花の幻想的な美しさが相まって、「もののあわれ」を見事に表現した。

『カムイの剣』


©KADOKAWA1985

上映日
2017年10月28日(土)14:00~
2017年11月26日(日)14:00~

1985年/カラー/DCP/142分/監督:りん・たろう

◆幕末を舞台に忍者が活躍する伝奇小説をダイナミックにアニメーション化。忍術が繰り広げられる戦闘シーンはじめ、アクション演出に新機軸を打ち出した。親殺しの汚名を着せられた次郎は、天海和尚のもと忍者修行に励む。そして、次郎の持つ亡き実父の短刀「カムイの剣」に秘められた海賊キャプテン・キッドの財宝の謎を巡って、争いが巻き起こる。下北半島、蝦夷、江戸、ロシア、アメリカ、伊賀、函館……各地を駆け巡り、多数のキャラクターが登場する壮大なスケールの作品。

『銀河鉄道の夜』


©朝日新聞社/テレビ朝日/KADOKAWA/アスミック・エース

上映日
2017年10月29日(日)11:30~
2017年11月12日(日)14:00~ ※上映後トークショーあり(ゲスト:杉井ギサブロー監督/聞き手:原口正宏氏(アニメーション研究家))
2017年11月18日(土)11:30~

1985年/カラー/35mm/107分/監督:杉井ギサブロー/原作:宮澤賢治/原案:ますむらひろし/音楽:細野晴臣

◆朝日新聞社とテレビ朝日が初めて劇場用映画に出資するプロジェクトとして製作され、劇場用長編アニメーションの新境地を開いた。東映動画、虫プロダクション、グループ・タックという変遷を辿ったベテラン・杉井ギサブローのもと、卓越したスタッフ陣が才能を発揮し、また、当時20代だった江口摩吏介をキャラクターデザイン・作画監督に抜擢した。宮沢賢治原作の同名小説を猫のキャラクターによって漫画化したますむらひろし作品をベースに、ファンタジックな映像を打ち出した。少年が生と死の境目を垣間見る不思議な冒険物語を叙情あふれる美しいアニメーションで描き、日本アニメーション映画史上たぐい稀な観念的でスケールの大きい作品世界で魅了する不滅の傑作。毎日映画コンクール大藤信郎賞受賞作品。

★11月12日(日)14:00の回終了後トーク開催!
ゲスト:杉井ギサブロー監督/聞き手:原口正宏氏(アニメーション研究家)

『幻魔大戦』


©KADOKAWA1983

上映日
2017年10月29日(日)14:00~
2017年11月19日(日)14:00~
2017年11月25日(土)14:00~

1983年/カラー/DCP/131分/監督:りん・たろう/原作:平井和正、石森章太郎

◆角川アニメーション第1作として製作されたSF超大作。暗黒の支配者・幻魔から銀河系を守るため、宇宙意識体フロイの指令を受けたルナ姫は、世界各地の超能力(サイオニクス)戦士を集結させて決戦に挑む。東映動画、虫プロダクションを経てフリーのアニメーション演出家として活躍し、初めて劇場用長編アニメーション演出を手掛けた『銀河鉄道999』(1979)をヒットさせた、りん・たろうを監督に起用。また、漫画家として活動していた大友克洋がキャラクターデザインに参加し、大友のアニメーションのキャリアの出発点となった。日本映画年間興行収入第8位の大ヒットを記録した。

『少年ケニヤ』


©KADOKAWA1984

上映日
2017年11月11日(土)14:00~
2017年11月19日(日)11:30~

1984年/カラー/35mm/109分/監督:大林宣彦/共同監督:今沢哲男

◆実写映画を中心に活動してきた大林宣彦が監督に起用された角川アニメーション第2作。実験的な手法が取り入れられた野心作として、セルアニメの様々な技法が用いられている。原作は、1950年代に新聞に連載された山川惣治による冒険小説で、50年代から60年代にかけて、ラジオドラマ化、テレビドラマ化、漫画化が行われた。舞台は1941年アフリカ、ケニヤに駐在していた日本人商社マンの父と生き別れになったワタル少年は、野獣や部族のいる密林でたくましく成長し、父を探し続ける。さらに、奥地の原爆製造工場や恐竜が生息する未知の世界で、奇想天外な冒険が繰り広げられる。

『千年女優』


©2001 千年女優製作委員会

上映日
2017年11月18日(土)14:00~
2017年11月25日(土)11:30~
2017年11月26日(日)11:30~

2001年/カラー/35mm/87分/原案・脚本・監督:今敏

◆今敏のオリジナルストーリーによる劇場用長編アニメーション2作目。かつて一世を風靡して引退した伝説の大女優・藤原千代子は、インタビューに答えて自らの人生を語り始める。彼女の生い立ちと秘めた恋の思い出、そして出演した映画の劇中エピソードが混然一体となった波乱万丈の物語が展開される。アニメーションならではの豊饒なイメージと重層的なストーリーテリングによって、千年を越えて愛する人を追い求め続ける壮大なロマンスが描かれる。第5回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門にて『千と千尋の神隠し』と並んで大賞を受賞、第33回シッチェス・カタロニア国際映画祭最優秀アジア映画賞を受賞するなど、国内外で高い評価を獲得し、ドリームワークスにより世界配給もされた。