2025年12月23日

かわさき市美術展関連ワークショップ「肥沼守と描く どうぶつ!フレスコ画ワークショップ」を開催しました

川崎市在住、在勤、在学の方などを対象とした市内で最も歴史のある公募展であるかわさき市美術展(以下「市美展」)は今年で59回目を迎えます。毎年、市美展の開催にあわせてオンラインセミナーを実施していますが、今年は過去最優秀賞受賞者の作家を講師として招いてワークショップを開催しました。そのほかにも、現在も作家として活躍している受賞者の方々に経歴や作品制作についてインタビューをした映像をオンライン上で公開しています。
  PICK UP アーティスト 市美展から羽ばたいた作家たち

ここでは、11月2日(日)に開催したフレスコ画制作ワークショップについてご報告いたします!
今回のワークショップの会場は川崎区にあるカルッツかわさき。市美展の会場であるミューザ川崎シンフォニーホールから徒歩15分ほどの場所にあります。今回は小学生9名の皆さんにご参加いただきました。ワークショップ当日は「みんなの川崎祭」が開催されている日で川崎駅前は大賑わい!


(#minkawaに飛び入り参加した記事はこちらからどうぞ!)

講師の肥沼守さんは、第34回市美展の最優秀賞受賞者であり、西洋の古典的な絵画技法であるフレスコ画を中心に制作活動を行っています。


▲肥沼さんの作品です

まずは、フレスコ画って何でできているの?どんな作品があるの?といったことを肥沼さんから教えていただきました。
よく知られているミケランジェロの《最後の審判》やレオナルド・ダ・ヴィンチの《最後の晩餐》といった絵画もこのフレスコの技法を使って作られた作品です。

フレスコ画は、いったいどのようにして作られているのでしょうか?
肥沼さんの実演とともに教えていただきました!

まずは、石灰と砂に水を加えた「モルタル」と呼ばれる白い泥のようなものを、壁面や板に塗っていきます。その上から絵具で色を塗ると、石灰の化学反応で顔料がモルタルと一体化してガラスのような表面になり、耐久性の高い絵画が完成します。



▲教科書にのっているあの名画もフレスコ画!? ▲モルタルってさわるとどんな感触かな?


▲フレスコ画は頑丈で長持ち!

解説を聞きながら、さっそく参加者の皆さんもモルタルを板に塗っていきます。
モルタルは二度塗りするのですが、これがなかなか難しく、均一にきめ細やかに塗り広げるのは大変!先生のアドバイスを受けながら、きれいな画面をつくりました。


▲「パンにバターを塗っているみたい!」とコツをつかんだ参加者

今回は肥沼さんの作品によく登場するモチーフであるちょっと不思議な「どうぶつ」をテーマに絵を描きます。「どうぶつ」が描かれた下絵の用紙をまだ乾いていない柔らかなモルタルの上にのせて、上から輪郭線を鉛筆でなぞると…


▲モルタルの上から下絵を鉛筆でなぞっています

モルタルがへこんで下絵がくぼんだ線で表されます!下絵に描いた「どうぶつ」をフレスコの画面に転写することができました。


▲うっすらとへこんだ線がみえますか?

この間にも塗ったモルタルはどんどん乾いていきます。完全に乾いてしまう前に、顔料を水に溶かした絵具で色を付けていきます。この濡れた状態のモルタルに絵具をのせて着彩する方法をイタリア語では「ブォン・フレスコ」というそうです。



▲使いたい絵具を選びましょう! ▲真っ白な画面に色をのせます

紙やキャンバスに絵具をのせるのと違い、筆から絵具がモルタルに染み込むような不思議な感覚、そして、絵具が乾くのを待たなくてもいいのがフレスコ画の面白い特徴です。
参加者の皆さんも重ね塗りをしたり、絵具を混ぜたり、短い時間の中で工夫をして制作していました。


▲色を塗った瞬間から画面に染み込んで不思議な感覚!

制作開始から1時間半…。あっという間に制作時間は終了です。完成した作品は最後にみんなで鑑賞しました。
参加者の皆さんが描いたのはおうちで飼っている動物や好きな動物などいろんなどうぶつがたくさん!
色づかいや描き方など、それぞれ肥沼さんからコメントをいただきました。



▲肥沼さんが1作品ずつコメントしてくれました

参加者の皆さんからは、「モルタルをぬるのが楽しかった。」「フレスコ画の存在は知っていましたが、歴史の本だと深く語られないので今回やることで歴史の新たな勉強にもなったので参加してよかったなと思いました。」といった感想をいただきました。
フレスコ画という普段はなかなか扱わない技法で絵を描いてみるのは、参加者の皆さんにとっても貴重な時間になったと思います。
いつか、参加者の中からフレスコ画で市美展に出品してくれる方もいるかもしれませんね!

参加者の皆さんの作品は第59回市美展の会場で展示する予定です。
このブログを読んでくださっている皆さんも不思議でかわいい「どうぶつ」たちをぜひ見に会場に来てくださいね。

展示の詳細はこちら。
【会場】
ミューザ川崎シンフォニーホール 4階 研修室4

【期間】
2026年2月27日(金)~3月7日(土)
※3月7日は12時まで

第59回市美展で入賞した素晴らしい作品たちもあわせてご覧ください!
展示会場にてお待ちしております。

教育普及
安尾