2024年03月08日

【教育普及】ワークショップ「アニメーション EMAKIマシーン KAWASAKI」を開催しました

節分が過ぎ、街がバレンタイン色に染まりつつある2/10(土)、川崎市川崎区にあるイトーヨーカドー川崎港町店で、ワークショップ「アニメーション EMAKIマシーン KAWASAKI」を開催しました。このワークショップは展覧会「川崎市市民ミュージアム ―誕生と軌跡―」の関連イベントのひとつで、アニメーションという手法を使い、「川崎で生活しながら感じること」を表現することに挑戦しました。川崎での生活でどんなことを思っているのかを意識すること、そしてアニメーションの仕組みや制作の一端を知ることが、このワークショップでの参加者のミッションでした。


↑講師の松本力(まつもとちから)さん

ワークショップの講師は、絵かき、映像・アニメーション作家の松本力(まつもとちから)さんです。松本さんから簡単にアニメーションの仕組みを聞いた後、参加者はさっそくアニメーションの元となるコマを描いていきました。参加者がモデルとなり、生活の中で感じたことを3つのポーズで表現します。「ラーメンを食べて美味しかった」「サッカーでゴールを決めて嬉しかった」…。さまざまなシーンでの感情が、1枚の細長い紙に3つの絵で表されていきます。


↑ポーズをとる人と絵を描く人で2人1組に


↑ポーズと描画は交代で

いくつかのシーンが描かれたら、今度はみんなで編集会議。バラバラのシーンから、初めと終わりにふさわしいものをそれぞれ選び出して、紙を並び替えていきました。


↑紙を並べて、どれを最初にするか考え中

でも、1枚の紙に描かれているのは、間をあけて配された3つのポーズだけ。それに、紙を並び替えただけでは、シーンはつながりません。お昼休憩をはさんで、後半は3つのポーズをスムーズにつなげるため、そしてバラバラのシーンをつなげるために、さらに絵を描き込んでいきました。


↑午後もたくさん絵を描きました

最後に、描き上げた50枚以上の紙をテープでつなげば、川崎でのみんなの生活が描かれた、長いながーい絵巻物が完成!そしてそれを「絵巻物マシーン」で1コマ1コマ撮影して、パソコンに読み込んでいきます。「絵巻物マシーン」とは、絵巻物を巻き付けるロールと、撮影用カメラが取り付けられたスーツケースのこと。松本さんが独自に開発しました。空港のレターコードや「FRAGILE」のテープがたくさん貼り付けられていて、国内外でのワークショップの跡が見て取れます。
マシーンからパソコンへとどんどん読み込みこまれる画像たち。それらを連続で再生すると…、描いた絵が動いて見えるアニメーションに!参加した皆さんは、その日いちばんの集中力でアニメーションを見つめます。コマが移る速度や、合わせる音楽で、また違った印象になることも確認。「こっちの速さがいい」と、参加した子どもたちも積極的に意見を伝えていました。


↑「絵巻物マシーン」で作業中の松本さん


↑アニメーション鑑賞中の参加者

みんなで制作したアニメーションは、松本さんが手を加えて、後日、関連展覧会会場の川崎市教育文化会館と、ワークショップ会場のイトーヨーカドー川崎港町店で一般公開することに。多くの方に、市民がいま感じている川崎が伝えられるといいと思っています。

教育普及担当 奈良本

ワークショップ「アニメーション EMAKIマシーン KAWASAKI」 https://www.kawasaki-museum.jp/event/28843/
展覧会「川崎市市民ミュージアム ー誕生と軌跡ー」 https://www.kawasaki-museum.jp/exhibition/28840/