立冬を過ぎた11/11(土)、川崎市麻生区にある百合丘こども文化センターで、ワークショップ「ねんどでふぇいくふぁー」を行いました。このワークショップは、川崎市市民ミュージアムWebサイトで開催中のオンライン展「大島康幸展」(2024/3/29まで)の関連企画です。
大島康幸さんは麻生区在中の彫刻家で、代表的なシリーズに「FAKE FUR」があります。その表現は独特で、モチーフとなった動物の頭部や手足はちゃんと骨や筋肉がありそうなのに、胴体はほぼ皮だけ。素材は木(クスノキ)なのですが、遠目で見ると本物の毛皮みたい…「FAKE FUR」のシリーズ名に納得です。今回は、大島さんを講師にお招きし、親子8組の皆さんに、この「FAKE FUR」を粘土で作ることにチャレンジしてもらいました。
↑ワークショップの説明をする大島さん
参加者の皆さんは、自分が作りたい動物の写真を持って会場入り。そしてワークショップの初めにスタッフからミッションが伝えられます。ミッション①は、作りたい動物の模様をしっかりと見ること。そしてミッション②は、講師の大島氏とどんどんお話をすること。このワークショップの狙いは、物をしっかり観察する眼を養うことと、作家や文化芸術を身近に感じてもらうことにありました。
まずは粘土をこね、薄くのばしていきます。これを畳んだり、くるくる巻いたりして、動物の胴体を作るのです。胴体を畳む…? 困惑する参加者もいましたが、ぐんにゃり曲がった動物たちの形が次々に現れてきました。胴体を作ったら、今度は頭と手足です。こちらは立体的に作ります。そしてぐんにゃりした胴体に接着!これで形はできあがりました。
↑全4頭を制作!まったくためらいなく胴体を畳みました
粘土をドライヤーで乾かして、今度は絵の具で色を塗っていきます。持ってきた写真をじっと見つめ、色を決め、絵筆を走らせる参加者たち。どうやらミッション①を遂行している様子。そしてうまく絵筆を使えない子どもたちは、大島氏にアドバイスを求めます。塗り方のコツを教えてもらうと同時に、これでミッション②もクリアです。
↑キリンの模様に苦戦していた参加者も、作家からアドバイスを受けてどんどん塗り進めていきます
↑「観察できた?」の問いに、「ほっぺたの点々は他のより小さいんだよ」。しっかり観察できてます!
会場内に姿を現した「ふぇいくふぁー」たち。できあがった参加者から、他の参加者が作った「ふぇいくふぁー」を見て回ってもらいました。どうやら最も驚いていたのは保護者のみなさん。子どもたちの発想には本当に感心しますね。
↑右に見えるネコ2匹は、大島さんが制作した実物の木彫作品
講師の大島さんには、ご自身の作品をいくつか会場に持ってきてもらいました。「大島康幸展」はオンライン展なので、実物の作品を見ることはできませんが、今回、少しでも実際に鑑賞できる機会を作りたいと、大島さんに作品展示をお願いしたのでした。オンライン展はこうした課題もありますが、時間や場所の制約なしに作品をご覧いただけるメリットがあります。課題を解決しつつ、今後も続けていきたいと思います。
教育普及担当 奈良本
オンライン展「大島康幸展」:https://www.kawasaki-museum.jp/thirdarea/oshima2310/