現代音楽と日本映画の交差点 1950s-1970s

上映予定
映像ホール / 2019年09月07日-2019年12月01日

現代音楽と日本映画の交差点 1950s-1970s

上映スケジュール

概要

本特集では、収蔵作品を中心に、国内における電子音楽の始まりを起点としながら1950年代から70年代頃の映画音楽に焦点をあて、現代音楽と日本映画の新たな表現への探求の軌跡を辿ります。

1950年代から始まった日本の電子音楽は、終戦後の影響を受けながら、電子音楽が生まれた欧州の系譜とは異なる独自の形で発展してきました。「録音」した音から創作が可能な電子音楽は、フィルムの光学サウンドトラックに音を録音する映画音楽と接近しながら新たな可能性を追求していきます。

【上映日】
9月7日(土)~12月1日(日)の土日

※ ただし 9月21日・22日、10月12日・13日・26日・27日は休映

【チケット販売時間/当日券のみ】
10:00~15:00(12:00~13:00 は販売休止)

定員 270名/各回入替制
開場 15分前(混雑状況により開場時刻が早まることがございます。)
当日先着順(満員の際は入場をお断りすることがございます。ご了承ください。)

TOP画像:『煉獄エロイカ』

★「映画音楽講座 武満徹の音・音楽の世界」開催!
日時:10月5日(土) 14:00『おとし穴』上映後
講師:小沼純一氏(早稲田大学文学学術院教授、音楽・文芸批評家)

入場料金(1プログラムにつき)
一般600円
大学・高校生・65歳以上500円
小中学生400円
未就学児、障害者手帳等をお持ちの方及びその介護者無料

各種割引料金をご利用の方は、生徒手帳・学生証・障害者手帳など、証明できる書類等(原本)を必ずご提示ください。

カルメン純情す


©1952 松竹株式会社

上映日
2019年 9月8日(日)14:00
2019年 9月14日(土)11:00

1952年/モノクロ/35mm/103分
監督:木下惠介 撮影:楠田浩之 音楽:黛敏郎、木下忠司
出演:高峰秀子、若原雅夫、淡島千景、小林トシ子
浅草に戻ってきたストリッパー、カルメンは前衛芸術家に一目惚れするが……。『カルメン故郷に帰る』(1951)の続編として製作されたコメディ。国内で初めてミュージック・コンクレート作品を発表したとされる黛敏郎が、発表に先駆けてその手法を映画音楽に取り入れている。

近松物語


©KADOKAWA1954

上映日
2019年 9月7日(土)11:00
2019年 9月15日(日)11:00

1954年/モノクロ/DCP/102分
監督:溝口健二 撮影:宮川一夫 音楽:早坂文雄
出演:長谷川一夫、香川京子、南田洋子
宮中の経巻表装を生業とする大経師内匠の手代・茂兵衛は主人の妻・おさんの兄に金の融通をしたことが見つかり、主人によって監禁されてしまう。音楽を担当した早坂文雄は本作で歌舞伎の下座音楽を取り入れている。映画音楽を映像、台詞、音響、音楽の総合的な構造として捉え、後の映画音楽へ大きな影響を与えた。

噂の女


©KADOKAWA1954

上映日
2019年 9月7日(土)14:00
2019年 9月8日(日)11:00

1954年/モノクロ/DCP/83分
監督:溝口健二 撮影:宮川一夫 音楽:黛敏郎
出演:久我美子、大谷友右衛門、田中絹代
京都の花街で女手一つで置屋を営む初子のもとに、婚約破棄を理由に自殺を図った娘の雪子が東京から戻ってくる。音楽を担当した黛は本作でも電子楽器を使用しており、同年には電子楽器クラビリオンによる演奏会を行い、後に『赤線地帯』(1956)の映画音楽でも使用した。

おとし穴


上映日
2019年 10月5日(土)14:00
2019年 10月6日(日)14:00

1962年/モノクロ/35mm/97分
監督:勅使河原宏 撮影:瀬川浩 音楽監督:武満徹 音楽:一柳慧、高橋悠治
出演:井川比佐志、佐々木すみ江、矢野宣
勅使河原宏の長編劇映画第一作。寂れた北九州の炭鉱を舞台に、組合間の隔たりが双方の殺し合いへと発展していく様子を描いた作品。音楽監督を武満徹が務め、演奏には一柳慧と高橋悠治が参加している。撮影された映像に合わせて、プリペアド・ピアノなどを使いながら即興的手法で音響が設計された。

    映画音楽講座 武満徹の音・音楽の世界
    日時:10月5日(土) 14時の回上映後
    講師:小沼純一氏 (早稲田大学文学学術院教授、音楽・文芸批評家)

切腹


©1962松竹

上映日
2019年 9月28日(土)11:00
2019年 10月6日(日)11:00

1962年/モノクロ/35mm/134分
監督:小林正樹 撮影:宮島義勇 音楽:武満徹
出演:仲代達矢、石浜朗、岩下志麻
井伊家の庭先で切腹を申し出た侍。彼の話から武士道の残酷さが暴かれていく。1963年カンヌ国際映画祭審査委員特別賞受賞。本作で武満は、プリペアド・ピアノの使用、琵琶の音に電子変調やテープ加工を行うなど、時代劇の映画音楽へ野心的なアプローチをとっている。

太平洋ひとりぼっち


©日活

上映日
2019年 9月14日(土)14:00
2019年 9月29日(日)11:00

1963年/カラー/35mm/97分
監督:市川崑 撮影:山崎善弘 音楽:芥川也寸志、武満徹
出演:石原裕次郎、森雅之、田中絹代、ハナ肇
小型ヨットで兵庫からサンフランシスコまで、太平洋横断に成功した堀江謙一の同名航海記の映画化。音楽はディレクションを芥川、作曲を武満が担当し、主人公が孤独の果てに幻覚を見るシーンなどでは、芥川の発案でミュージック・コンクレートの手法が取り入れられた。

悦楽


©1965 松竹株式会社

上映日
2019年 9月29日(日)14:00
2019年 10月19日(土)14:00

1965年/カラー/35mm/91分
監督:大島渚 撮影:高田昭 音楽:湯浅譲二
出演:中村嘉葎雄、加賀まりこ、野川由美子
想いを寄せる女のために人を殺した主人公の空虚な悦楽の日々を描く。原作は山田風太郎の「棺の中の悦楽」。ジャンルを越境した実験的な芸術運動を展開した「実験工房」にも参加していた湯浅譲二が本作の音楽を担当し、テープ音楽の手法を取り入れている。

砂の女


上映日
2019年 10月5日(土)11:00
2019年 10月20日(日)11:00

1964年/モノクロ/35mm/147分
監督:勅使河原宏 撮影:瀬川浩 音楽:武満徹
出演:岡田英次、岸田今日子、三井弘次
昆虫採集のため砂丘に来た男は、砂の穴の中に暮らす女の家へ泊めてもらうことになるが、脱出できなくなる。安部公房が原作と脚色を担当した寓話的作品。音楽を担当した武満は音響設計のため、録音技師の奥山重之助に新たな電子機器作成を依頼し、勅使河原宏の映画世界に挑んでいる。

怪談(インターナショナル・バージョン)


©1965 東宝

上映日
2019年 9月15日(日)14:00
2019年 9月28日(土)14:00

1964年/カラー/35mm/161分
監督:小林正樹 撮影:宮島義勇 音楽:武満徹
出演:「黒髪」新珠三千代、三國連太郎/「雪女」仲代達矢、岸恵子/「耳無抱一の話」中村嘉葎雄、丹波哲郎/「茶碗の中」中村翫右衛門、杉村春子
小泉八雲の同名小説「怪談」から4編を映画化した小林正樹初のカラー作品。本作で武満は、音楽と劇中のすべての現実音も含めた映画全体の音響の設計を担当している。日本古来の邦楽器とテクノロジーを融合させながら、音の響きを追求した武満による映画音楽の代表作。

他人の顔


上映日
2019年 10月19日(土)11:00
2019年 10月20日(日)14:00

1966年/モノクロ/35mm/122分
監督:勅使河原宏 撮影:瀬川浩 音楽:武満徹
出演:仲代達矢、平幹二朗、岸田今日子
顔に大火傷を負った男は人間不信に陥り、仮面をつけて第三者に変身し、虚構の生を生きようと決意する。現代人の孤独をテーマにした心理サスペンス。金属やグラス・ハープを電子的に処理した音が全編を通して音響として使われている。

河 あの裏切りが重く


上映日
2019年 11月2日(土)11:00
2019年 11月16日(土)11:00

1966年/モノクロ/35mm/103分
監督:森弘太 撮影:高田昭 音楽:一柳慧
出演:原泉、芹川洋、灰地順
広島で被爆し行方不明となった友人の兄と、安保戦争後に行方不明になった友人を捜す二人の男女の姿を追いながら、広島と安保闘争のその後を検証しようと試みた作品。ジョン・ケージに師事し、1961年に帰国した一柳が本作の音楽を担当している。

さらば夏の光


上映日
2019年 11月2日(土)14:00
2019年 11月9日(土)11:00

1969年/カラー/35mm/97分
監督:吉田喜重 撮影:奥村祐治、佐藤敏彦 音楽:一柳慧
出演:岡田茉莉子、横内正、ポール・ボーヴェ、エレーヌ・ヴィエル
古い寺院建築の源流を求めてさまよう男と、被爆体験を持つ女。旅の途中で出会った一組の男女が織りなす幻影譚。ヨーロッパ各地でロケーション撮影を行った、吉田の製作プロダクションである現代映画社の第5作。ドビュッシーの「海」や一柳によるピアノが作品を彩る。

エロス+虐殺


上映日
2019年 11月9日(土)14:00

1969年/モノクロ/35mm/167分
監督:吉田喜重 撮影:長谷川元吉 音楽:一柳慧
出演:細川俊之、岡田茉莉子、楠侑子
大正時代のアナーキスト・大杉栄と、「青鞜」の婦人解放運動家・伊藤野枝、ジャーナリスト・神近市子の愛情関係のもつれを描く。1920年代の奔放な自由恋愛の物語と、それから約半世紀後に栄たちについて調べている束帯永子の現代の物語とが時空を超えて複雑に交差していく。

心中天網島


上映日
2019年 11月3日(日)11:00

1969年/モノクロ/35mm/104分
監督:篠田正浩 撮影監督:成島東一郎 音楽:武満徹
出演:岩下志麻、中村吉右衛門、小松方正
近松門左衛門の人形浄瑠璃を題材に、破格な美術や全編に黒子が出演しているなど、型破りな演出が際立つ作品。音楽を担当した武満は、脚色の段階から音響の演出について協力し、三味線や琵琶のみならず、ガムランやアフリカのピグミー族の笛など、様々な民族楽器を取り入れながら音楽・音響設計を行っている。

煉獄エロイカ


上映日
2019年 11月10日(日)11:00
2019年 11月17日(日)14:00

1970年/モノクロ/35mm/119分
監督:吉田喜重 撮影:長谷川元吉 音楽:一柳慧
出演:岡田茉莉子、鵜田貝造、木村菜穂
時間軸の解体と再構成によって綴られる革命の物語。産業開発公団中央研究所で働く庄田の平凡な日々は、ある日妻・夏那子が見知らぬ迷子の少女を連れてきたことで一変する。少女は庄田を学生時代の記憶へと引き戻す。1952年、彼は革命の徒として運動に加わっていたのだった。

東京战争戦後秘話


上映日
2019年 11月16日(土)14:00

1970年/モノクロ/35mm/94分
監督:大島渚 撮影監督:成島東一郎 音楽:武満徹
出演:後藤和夫、岩崎恵美子
全共闘のセクトを離れた象一は、遺書として16mmフィルムを残し自殺した友人がもたらす様々な幻覚に苦しみ、ついに彼を葬るべく“東京風景戦争”を開始する。脚本には佐々木守と、当時自主映画を製作していた原正孝(原將人)を迎え、音楽はジャズ・ロックと共に音響彫刻による音が使われている。

儀式


上映日
2019年 11月17日(日)11:00
2019年 11月23日(土)14:00

1971年/カラー/35mm/123分
監督:大島渚 撮影監督:成島東一郎 音楽:武満徹
出演:河原崎建三、賀来敦子、乙羽信子
創立10周年を記念して日本ATGが創造社と提携製作した作品。日本古来の「家」で行われる儀式に着目し、旧家・桜田家を舞台に、形骸化した権力構造としての組織の姿を捉えようとした意欲作。本作で武満は再録音した自身の曲を、断片的に切り貼りし再構成している。

戒厳令


上映日
2019年 11月10日(日)14:00
2019年 11月23日(土)11:00

1973年/モノクロ/35mm/110分
監督:吉田喜重 撮影:長谷川元吉 音楽:一柳慧
出演:三國連太郎、松村康世、三宅康夫
2・26事件の首謀者・北一輝による「日本改造法案」は若者たちに熱狂的に支持された。北の思想に影響された青年将校たちは北の本来の思惑を離れて独走し始め、世情は不穏な空気に包まれる。大正中期から昭和初期を舞台に日本の近現代史を政治と革命の側面から捉えた叙事詩。

青幻記 遠い日の母は美しく


上映日
2019年 11月24日(日)11:00
2019年 11月30日(土)14:00

1973年/カラー/35mm/117分
監督・撮影監督:成島東一郎 撮影:阪本善尚 音楽:武満徹
出演:田村高廣、賀来敦子、山岡久乃
奄美諸島の沖永良部島を舞台に、母と子の情愛が過去と現在の混淆した話法で綴られる。松竹入社当時は木下恵介に師事し、『心中天網島』や『儀式』では撮影監督を務めた成島の初監督作品。映画の主題に寄り添う緻密に配置された武満による音楽は高く評価された。

卑弥呼


上映日
2019年 11月3日(日)14:00
2019年 12月1日(日)11:00

1974年/カラー/35mm/100分
監督:篠田正浩 撮影:鈴木達夫 音楽:武満徹
出演:岩下志麻、草刈正雄、三國連太郎
日本古代史の謎〈耶馬台国〉の女王・卑弥呼を巻きこんだ土着民と征服民という2つの勢力の宗教的な争いを通して日本人の根源的な美意識を問う。劇中では、邦楽器、中国古代の楽器や貝殻など様々な打楽器を用いた即興的な演奏を取り入れ、劇中音と音楽を滑らかに繋いでいる。

北村透谷 わが冬の歌


上映日
2019年 11月30日(土)11:00

1977年/カラー/35mm/103分
監督:山口清一郎 撮影:田村正毅 音楽:高橋悠治
出演:みなみらんぼう、田中真理、石橋蓮司
明治女学校を欠勤している透谷に代わって妻・美那は学校を訪ねるが、すでに透谷が退職届を出していることを知る。悪い予感に家路を急ぐと、透谷は喉に刃物を突きたて命を絶とうとしていた。自殺は未遂に終わるが、彼の苦悩を理解しようと集まった友人たちの前で、透谷は自身について語り始める。

ざ・鬼太鼓座 デジタルリマスター


©1989「ざ・鬼太鼓座」製作委員会

上映日
2019年 11月24日(日)14:00
2019年 12月1日(日)14:00

1981年/カラー/DCP/105分
監督:加藤泰 脚本:仲倉重郎 撮影:丸山恵司 電子音楽:一柳慧
出演:河内敏夫、林英哲、大井良明
加藤泰の遺作にして、佐渡ヶ島の芸能集団「鬼太鼓座」を主人公にし、フィクションの要素が混ざり合う異色のドキュメンタリー。長らく上映の機会が少なかったが、2015年にデジタルリマスターが施された。「鬼太鼓座」のパフォーマンスに、一柳による電子音楽がぶつかり、唯一無二の音響空間が広がる。