独立プロが描く平和への願い

映像ホール / 2019年07月27日-2019年08月18日

概要

平和を渇望する彼らがあぶり出す、戦争と人間。

本特集では、当館のメインコレクションである独立プロダクションの作品を中心に、戦争と真摯に向き合うために自主製作という形で生まれた多彩な人間ドラマを特集上映します。

上映日:7月21日(日)、7月27日(土)、8月3日(土)、17日(土)、18日(日)<全5日間・計7作品上映>

プレイベント

★7/21(日)プレイベント「特集記念上映+トークイベント」開催!
『野火』(2014) の監督・脚本・編集・撮影・製作・出演を務めた塚本晋也氏と、岡本喜八監督の『肉弾』(1968) の製作を支え、自らも監督、プロデューサーとして活躍する岡本みね子氏をお迎えしてトークイベントを開催いたします。
また、特集記念として11時からは『肉弾』の上映、14時からはトークイベントの前に、『野火』のメイキングを捉えた「塚本晋也解説『野火』20年の軌跡」(60分)を上映いたします。(『野火』本編の上映は、8月17日、18日に行います。)

11時の『肉弾』をご覧になったお客様は、14時の回に無料でご入場いただけるスペシャルイベントとなっております。

また、トーク終了後、当日『野火』関連商品をご購入された方を対象に、塚本監督によるサイン会を開催いたします。

◆プログラム
11:00~『肉弾』上映 (117分)
14:00~「塚本晋也解説『野火』20年の軌跡」上映 (60分)
15:10~トークイベント (30分)

◆トークゲスト(敬略)
塚本晋也(映画監督、俳優)、岡本みね子(映画監督、プロデューサー)

※ 各回入替制です。
※ 11:00の『肉弾』をご覧になったお客様は、14:00の回に無料でご入場いただけます。
※ 14時の回のみご来場のお客様は、入場料が必要です。

チケット販売時間

【チケット販売時間/当日券のみ】
10:00~15:00(12:00~13:00 は販売休止)
※ 定員 270名(各回入れ替え制)/開場 15分前
※ 前売り券はございません。当日先着順での販売となります。(満員の際は入場をお断りすることがございます。ご了承ください。)
※ 作品によっては、フィルムの経年劣化により映像・音声の状態が鮮明でないものがございます。ご承知の上ご鑑賞いただきますようお願い申し上げます。

入場料金(1プログラムにつき)
一般600円
大学・高校生・65歳以上500円
小中学生400円
未就学児、障害者手帳等をお持ちの方及びその介護者無料

各種割引料金をご利用の方は、生徒手帳・学生証・障害者手帳など、証明できる書類等(原本)を必ずご提示ください。

野火


© SHINYA TSUKAMOTO / KAIJYU THEATER

上映日
2019年8月17日(土)11:00
2019年8月18日(日)14:00

2014年/カラー/デジタル/87分/海獣シアター/PG12
監督・脚本・撮影・主演:塚本晋也  原作:大岡昇平 音楽:石川忠
出演:リリー・フランキー、中村達也、森優作
第二次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島。結核を患う田村一等兵は、部隊からも病院からも追い出され、空腹や孤独と戦いながら果てしない原野を彷徨う。大岡昇平の同名小説を原作に、SNSの募集で集まったボランティアスタッフとともに作り上げた野心作。

肉弾


上映日
2019年7月21日(日)11:00
2019年8月17日(土)14:00
2019年8月18日(日)11:00

1968年/モノクロ/35mm/117分/「肉弾」をつくる会、日本アート・シアター・ギルド
監督・脚本:岡本喜八 撮影:村井博 音楽:佐藤勝
出演:寺田農、大谷直子、田中邦衛、笠智衆
反戦を常に意識しつつ戦争活劇を数多く生み出した岡本が、個人的な視点に基づいて終戦を描いた、悲哀とユーモアが混在した青春ドラマ。東宝を離れて初の自主製作作品で、作品の題字は妻のみね子氏の発案により、当時幼稚園児だった岡本の娘が手がけた。

ひろしま


上映日
2019年7月27日(土)11:00

1953年/モノクロ/35mm/109分/日本教職員組合
監督:関川秀雄 脚本:八木保太郎 撮影:中尾駿一郎、浦島進 音楽:伊福部昭 出演:月丘夢路、岡田英次、山田五十鈴
被爆後7年目の広島。ある女子高生が白血病で倒れる。8月6日、彼女に何があったのか。日本全国約50万人の教師が出資して製作され、実際に被爆した8万人を超す広島市民がエキストラとして参加した作品。

併映:『平和記念都市ひろしま』
1948年/モノクロ/35mm/20分/内外映画社
監督:秋元憲 ナレーション:徳川夢声

真空地帯


上映日
2019年7月27日(土)14:00

1952年/モノクロ/35mm/129分/新星映画社
監督:山本薩夫 原作:野間宏 脚本:山形雄策 撮影:前田実 音楽:團伊玖麿
出演:木村功、神田隆、加藤嘉、三島雅夫
士官の金入れを盗んだ罪で服役していた木谷一等兵は、原隊に戻ってくるも権力争いに巻き込まれ、野戦行きを命じられてしまう。戦後の独立プロ運動がピークを迎えた年の話題作のひとつで、山本が実際に配属されていた佐倉連隊の兵営をロケ地に製作された。

雲ながるる果てに


上映日
2019年8月3日(土)11:00

1953年/モノクロ/35mm/100分/新世紀映画+重宗プロダクシヨン
監督:家城巳代治 脚本:八木保太郎、家城巳代治、直居欽哉 撮影:中尾駿一郎、高山彌 音楽:芥川也寸志 出演:鶴田浩二、木村功、岡田英次
レッド・パージによる松竹退社後初の作品。特攻隊員の手記を、同じく特攻隊員だった直居欽哉が、八木、家城と共同で脚色。昭和20年春。空襲による怪我ゆえ仲間を見送ることしかできなかった特攻隊員の深見は、特攻の非人間性に憤りやがて自ら隊に志願する。

蜂の巣の子供たち


上映日
2019年8月3日(土)14:00

1948年/モノクロ/35mm/86分/蜂の巣映画部
監督・脚本:清水宏 撮影:古山三郎 音楽:伊藤宣二
出演:島村俊作、夏木雅子、御庄正一
多くの戦災孤児とともに生活していた清水が、彼らの身寄りを探すことも目的のひとつに、子供たちを俳優として起用し、私費を投じて製作したロードムービー。終戦後復員した青年は、山口で出会った子供たちとともに定住の地を探して大阪まで旅をする。