のらくろであります!田河水泡と子供マンガの遊園地ワンダーランド

開催予定
企画展示室1、アートギャラリー1 / 2019年09月18日-2019年11月24日

田河水泡「のらくろ武勇談」原画(『のらくろ武勇談』収録 1938年)
講談社蔵
©田河水泡/講談社
田河水泡「漫画展覧会」原画(1950年)
川崎市市民ミュージアム蔵
©田河水泡/講談社
田河水泡「入営」原画(『のらくろ上等兵』収録 1932年)
講談社蔵
©田河水泡/講談社
島田啓三「キバツ三勇士 珍妙大試合」(『講談社の絵本 漫画博覧会』掲載 1937年)
講談社蔵
©島田啓三
宍戸左行「スピード太郎」原画(1936年)
川崎市市民ミュージアム蔵
長谷川町子「イソガバマワレ」原画(『講談社の絵本 漫画と忠勇絵話』掲載 1938年)
講談社蔵
©長谷川町子美術館
井上一雄「バット君」単行本表紙原画(1947年)
川崎市市民ミュージアム蔵
「のらくろグッズと田河夫婦」(1934年)
個人蔵
©田河水泡
「のらくろの玩具を手にした田河水泡」(1935年ごろ)
個人蔵
©田河水泡

2019年は、漫画家・田河水泡(たがわすいほう)(1899-1989)の生誕120年にあたります。彼の代表作「のらくろ」は、『少年倶楽部』1931(昭和6)年1月号から連載開始し、瞬く間に大人気となりました。その成功はマンガだけに留まらず、演劇やアニメーション映画、レコード、人形やお菓子のおまけなど多方面にわたり、「のらくろ」は、時代を代表する文化的なアイコンとなっていきました。
田河のもとには、杉浦茂や長谷川町子といった漫画家を志す才能豊かな弟子たちが集まりました。また、他の出版社もマンガ分野に参入し始めたことで新進の漫画家たちが台頭し、大量の子供向けマンガが市場に登場しはじめます。このなかで醸成された、豊潤な子供向け物語マンガの潮流は戦中も絶えることなく続き、戦後に手塚治虫などの新たな才能を育む土壌として、マンガ文化を大きく躍進させる原動力となっていったのです。
本展では、明治から始まる子供向けマンガの歴史をふまえ、田河水泡が戦前期のマンガやその他の分野に残した足跡と影響を軸に、「のらくろ」とともに昭和戦前期に花開いた、知られざる「子供マンガ」の豊かな世界を再発見します。



*10月20日(日)中原区民祭の日、11月1日(金)開館記念日は、観覧料が無料になります。

見どころ

“ストーリーマンガ”の源流に迫ります。

現在、私たちが日常的に読み親しんでいる長大な物語を表現したマンガ、いわゆる“ストーリーマンガ”の成立には、田河水泡と「のらくろ」が大きく関わっています。はたして田河水泡は自身のマンガにおいて何を表現し、それらはのちの世代にどのような影響を与えたのでしょうか。田河水泡がマンガ表現に起こした改革に迫ります。

幻の「講談社の絵本」の原画を大公開します。

「講談社の絵本」は、1936(昭和11)年12月より刊行が始まった絵本のシリーズです。毎月刊行されるラインナップの中には、マンガを特集した号が毎回用意されており、多色刷りの大変美しいマンガがたくさん掲載された誌面に、当時の子供たちは夢中になりました。本展では、新関健之助にいぜきけんのすけや、長谷川町子といった選りすぐりの作家たちの原画を多数出品します。

のらくろだけじゃない、田河水泡マンガの魅力を紹介します。

多くの雑誌に連載を持つ人気作家であった田河水泡は、沢山の作品を生み出してきました。「のらくろ」だけではない、田河水泡が生み出した魅力的なキャラクターたちを紹介します。


のらくろとは


田河水泡「のらくろ武勇談」原画 (『のらくろ武勇談』収録 1938年) 講談社蔵 ©田河水泡/講談社

天涯孤独の野良犬黒吉(通称・のらくろ)が、犬の軍隊の中で失敗を繰り返しながらも、徐々に出世していくマンガ作品。1931(昭和6)年新年号から『少年倶楽部』(大日本雄弁会講談社)にて連載が始まり、戦前としては異例の全10巻に及ぶ単行本が刊行される。アニメーションやレコード、グッズなども大量に作られ、キャラクタービジネスの先駆けともなった。



田河水泡 プロフィール


「のらくろの玩具を手にした田河水泡」(1935年ごろ) 個人蔵 ©田河水泡

1899年2月10日-1989年12月12日
本名:高見澤仲太郎。東京府東京市本所区本所林町(現在の東京都墨田区立川)生まれ。1922(大正11)年日本美術学校入学、前衛芸術に傾倒し『マヴォ』に参加。卒業後は広告や看板描きなどをして生計を立てていたが、生活のため創作落語を大日本雄弁会講談社に持ち込んだことで作家となる。絵も描けることから次第にマンガも頼まれるようになり、雑誌に掲載した作品をまとめた『漫画の缶詰』(1930)、『漫画常設館』(1931)で一躍人気漫画家となった。1931(昭和6)年には「のらくろ」の連載が始まり、戦前期のマンガを代表する空前の大ヒット作となる。



関連プログラム

のらくろ・アニメーション・マニアックス講座

「のらくろ」は、戦前に村田安司むらたやすじ瀬尾光世せおみつよという一流のアニメーション作家によってアニメ化されていますが、その人気から海賊版のアニメも大量につくられました。知られざる「のらくろ」アニメを大公開し、戦前期アニメのディープな世界を担当学芸員がご案内します。

  • 9月22日(日)14:00~(約90分)
  • プリント提供:国立映画アーカイブ 協力:おもちゃ映画ミュージアム
  • 場所:1F 映像ホール/定員:270名/料金:無料/要観覧券/当日先着順 ※開場は30分前

高澤路亭たかざわろてい新作落語会「猫と金魚」

田河水泡の知られざるもう一つの仕事、新作落語作家・高澤路亭の作品『猫と金魚』他を口演していただきます。

  • 10月13日(日) 14:00~(約60分)
  • 場所:1F 映像ホール/定員:270名/料金:500円(中学生以下無料)/イベントページより要事前申込(抽選)
  • 申込期間:9月3日(火)~10月3日(木)
  • 出演:柳家喬之助、柳家小はぜ
ベビーカーツアー
  • 10月17日(木) 11:45~(30分程度)
  • 会場:2F 企画展示室1、アートギャラリー1/対象:未就学児とその保護者/定員:6組/イベントページより要事前申込(抽選)
  • 申込期間:9月8日(日)~10月8日(火)
ギャラリーツアー
  • 毎月第1・3土曜日(9月21日、10月5日、10月19日、11月2日、11月16日)14:00~(30分程度)
  • 会場:2F 企画展示室1、アートギャラリー1/要観覧券/当日直接会場へ



【同時期開催】
昔のくらしと家庭の道具2019

2019年9月3日(火)~12月1日(日)
アートギャラリー2・3/観覧無料
本展では、川崎で実際に使われていた生活道具を中心に100点以上を展示し、大正から昭和にかけての人々のくらしの変化について、生活道具のうつりかわりからご紹介します。

のらくろであります!田河水泡と子供マンガの遊園地ワンダーランド

会場
企画展示室1、アートギャラリー1
期間
2019年09月18日-2019年11月24日
休館日
毎週月曜日(ただし9月23日、10月14日、11月4日は開館)、9月24日(火)、10月23日(水)、11月5日(火)
観覧料
一般 700(560)円
学生・65歳以上 500(400)円
中学生以下 無料
※()内は20名以上の団体料金。
※障害者手帳等をお持ちの方およびその介護者は無料。
※リピーター割:半券提示で200円割引
主催
川崎市市民ミュージアム
協力
株式会社講談社