ポーランド映画祭 in Kawasaki

映像ホール / 2019年04月06日-2019年04月21日

概要

ポーランドの映画産業は第2次世界大戦による戦災で荒廃しましたが、1950年代半ばからワイダやコンヴィツキ等「ポーランド派」と称される作家が現れ、国際的に高く評価されるようになりました。それに続いてポランスキーやスコリモフスキ等による1960年代の新しい映画は、世界各地で興ったニューウェイブの文脈においても注目され、その後も活躍を続ける数々の映画人を輩出しました。
本特集では、デジタルリマスターで蘇った4つの名作で戦後ポーランド映画史の重要な流れをたどります。また、現在のポーランド映画界を代表する監督のひとりであるシュモフスカの2作品を上映し、戦後ポーランド映画史の過去と、現在の新たな視点をご紹介いたします。

日本・ポーランド国交樹立100周年(1919~2019年)記念事業日本・ポーランド国交樹立100周年

上映日:2019年4月6日(土)~4月21日(日)の土日【全6日間】

【チケット販売時間/当日券のみ】
10:00~15:00(※12:00~13:00は販売休止)

※定員270名(各回入れ替え制)、開場は15分前です。
※前売り券はありません。当日先着順での販売となります(満員の際は入場をお断りすることがあります)。

入場料金(1プログラムにつき)
一般600円
大学・高校生・65歳以上500円
小中学生400円
未就学児、障害者手帳等をお持ちの方及びその介護者無料

各種割引料金をご利用の方は、生徒手帳・学生証・障害者手帳など、証明できる書類等(原本)を必ずご提示ください。

『顔』Twarz


©NOWHERE FILMOTEKA NARODOWA- INSTYTUT AUDIOWIZUALNY TVN KRAKOWSKIE BIURO FESTIWALOWE KINO Ś WIAT PIRAMIDA FILM DI FACTORY PLATIGE FILMS DREAMSOUND LEŚNODORSKI ŚLUSAREK I WSPÓLNICY

上映日
2019年4月6日(土)11:00
2019年4月7日(日)14:00

2017年/カラー/DCP/92分
監督:マウゴジャタ・シュモフスカ
出演:マテウシュ・コシチュキェヴィチ、アグニェシュカ・ポトシャトリク、マウゴジャタ・ゴロル
ドイツ国境に近い村の巨大なキリスト像建設現場で働いていたヘヴィメタル好きの青年は、転落事故により顔に大怪我を負ってしまう。彼は移植手術を受けて故郷に戻るが、誰も彼のことがわからない。アイデンティティの喪失や小さなコミュニティにおける偽善を激しい音楽とともに描く。第68回ベルリン国際映画祭コンペティション部門審査員グランプリ受賞。

『君はひとりじゃない』Body/Ciało


©Nowhere sp. z o.o., KinoŚwiat sp. z o. o., D 35 S. A., Mazowiecki Fundusz Filmowy 2015 all rights reserved.

上映日
2019年4月6日(土)14:00
2019年4月7日(日)11:00

2015年/カラー/DCP/90分
監督:マウゴジャタ・シュモフスカ
出演:ヤヌシュ・ガヨス、マヤ・オスタシェフスカ、ユスティナ・スヴァワ
家族の死により深い悲しみを抱えたまま、互いに心を通わすことも出来なくなった父と娘が、霊と交信できる風変わりなセラピストの存在によって自らの心の傷と向き合い再生していく。彼らの姿をオフビートなタッチで描いたドラマ。ワイダやポランスキー等を生んだウッチ映画大学出身のシュモフスカが第65回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)を受賞した作品。

『灰とダイヤモンド』Popiół i diament


©STUDIO FILMOWE “KADR”

上映日
2019年4月13日(土)11:00
2019年4月20日(土)11:00

1958年/モノクロ/DCP/103分
監督:アンジェイ・ワイダ
出演:ズビグニェフ・ツィブルスキ、エヴァ・クジジェフスカ、バクラフ・ザストルジンスキー
第2次世界大戦が終結した1945年5月8日から翌朝までの1日、労働者党書記の暗殺を命じられたゲリラ兵の青年マチェクがたどる悲劇的な運命を描いた青春劇。『世代』(’54)、『地下水道』(’56)に続く「抵抗3部作」3作目。第20回ヴェネツィア国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞し、ワイダの名を一躍世界に知らしめた50年代の「ポーランド派」を代表する作品のひとつ。

『水の中のナイフ』Nóż w wodzie


©2013 Euro London Films, Ltd. All Rights Reserved.

上映日
2019年4月13日(土)14:00
2019年4月21日(日)11:00

1962年/モノクロ/DCP/94分
監督:ロマン・ポランスキー
出演:レオン・ニェムチク、ヨランタ・ウメツカ、ジグムント・マラノヴィチ
ヒッチハイクをしていた青年と出会った裕福な中年夫婦は自家用ヨット航行に彼を誘い、週末を一緒に過ごす。湖に浮かぶヨットの上で展開される人間模様から、精神的空虚を暴いた心理サスペンスドラマ。ポランスキーの長編処女作で、共同脚本をイエジー・スコリモフスキが務めた。印象的なジャズはクシシュトフ・コメダ作曲。第23回ヴェネツィア国際映画祭批評家連盟賞受賞。

『サルト』Salto


上映日
2019年4月14日(日)14:00
2019年4月20日(土)14:00

1965年/モノクロ/DCP/106分
監督:タデウシュ・コンヴィツキ
出演:ズビグニェフ・ツィブルスキ、イジー・ブロック、ヴウォジミェシュ・ボルンスキ
戦争の影が残る閉塞的な村社会に男が迷い込み、村人たちとの間に不思議な関係を展開していく。戦後ポーランドの代表的な小説家でもあったコンヴィツキが脚本を書き、自ら監督も務めた。彼の映画作品のうち中期にあたり、社会主義リアリズムを脱して抽象的な不条理劇に移行している。『灰とダイヤモンド』の名優ツィブルスキが主演を務め、ヴォイチェフ・キラルが音楽を担当。

『ムーンライティング』Fucha


©1982 MICHAEL WHITE LTD.

上映日
2019年4月14日(日)11:00
2019年4月21日(日)14:00

1982年/カラー/DCP/97分
監督:イエジー・スコリモフスキ
出演:ジェレミー・アイアンズ、ユージーン・リピンスキ、イエジー・スタニスラフ
イギリスに不法滞在する4人のポーランド人。彼らは家の改修作業に励むが、ひとり英語を解するノヴァクだけは祖国に戒厳令が敷かれたことを知る。しかし作業の遅れを恐れた彼は、その事実を仲間にひた隠しにしていた。独立自主管理労働組合「連帯」を弾圧するために戒厳令が敷かれたという実際の史実を背景にしている。第35回カンヌ国際映画祭最優秀脚本賞受賞。