図書館のなかで、最もたくさんあるもの、紙。書架から本を手に取りわくわくしながら表紙を開くとき、あるいは時間を忘れて次々とページをめくるとき、私たちは紙をじっと見つめ、指で触れているはずなのに、それらを意識することはほぼありません。しかし、私たちが平安時代の雅な物語にときめいたり、戦国時代の武将たちの勇ましさに感動したり、江戸時代の滑稽な絵草子に現代の漫画のルーツをみたりできるのは、紙に当時の人々の思想や行動が記録され、それが現代に伝わっているからなのです。もちろん、それは現代に書かれた小説においても同じです。実は、紙の美しさや強さが読書―知の欲求を支えているのです。
　本だけではありません。新聞やリーフレット、紙幣といった印刷物から、手帳や付箋、コーヒーフィルターといった文具、日用品まで、紙はいたるところで使われ私たちの生活を支えていますが、紙そのものに眼を向けることはほとんどないでしょう。
　本展では、そのような紙に焦点を当て、紙についての様々な事柄を紹介いたします。本展が、身の周りにある種々の紙に眼を向けるきっかけとなれば幸いです。

越前紙漉図説（紙を漉く図）	紙漉きの様子	レスキュー活動で使用している紙

展示概要

会場：高津図書館 １階展示コーナー
会期：2026年1月10日（土）～2月12日（木）※　1月19日（月）休館
開館時間：（高津図書館の開館時間に準じる）
平日　9：30～19：00
土曜日・日曜日　9：30～17：00
国民の祝日　9：30～17：00
観覧：無料

主催：川崎市市民ミュージアム
共催：川崎市立高津図書館
協力：一般社団法人カミスク

会場案内

川崎市立高津図書館
〒213-0001　川崎市高津区溝口4-16-3
TEL：044-822-2413
FAX：044-844-7594
JR南武線武蔵溝ノ口駅・東急田園都市線溝の口駅　下車徒歩15分
東急田園都市線高津駅　下車徒歩5分
※駐車場はありません（障害者用のみあり）