写真ゲーム
MESSAGE_メッセージ
21世紀に入り、わたしたちの社会・生活・文化にはさまざまな変化が生まれています。写真も例外ではありません。写真表現の最前線では、たんに物事を写して伝える、その美的なイメージを表現するという写真の伝統的な機能を越えてさまざまな興味深い現象が進行中です。本展では、その現象に「写真ゲーム」という視点から光をあてます。
「写真ゲーム」とは聞き慣れない言葉かもしれませんが、今日の写真表現の新たな側面をより明確に示してくれるのではないかという希望を込めて用いてみたいと思います。というのは、写真におけるゲーム的要素が現代写真の先端に多様な形で現れているからです。
写真の意味や価値を被写体や美的イメージにのみ求めるのではなく、どのようにしてそのイメージを作り出すのか、あるいは、作り出されたイメージをいかに用いるのか、言い換えれば、撮影のルール、展示のルールの面白さが写真にとってより重要な要素となって、豊かな写真表現が生まれています。作家にとって、写真を用いてどのようなルールでプレイするのかということが重要性を増しているのです。つまり、作品には作家が産み出すルールにしたがった一種の写真のゲームという色合いが強く出ているのです。本展では、現代写真のゲーム的側面に注目して、11人の作家の写真作品を紹介します。21世紀に入って国内外で活躍し、注目される写真の仕事を発表している芸術家たちです。
それぞれの作家にはそれぞれの写真の作法やルールがあり、それにしたがったプレイが新たな可能性を切り開いています。11人による新たな可能性に満ちた写真表現の世界をご高覧ください。
最後に、この展覧会の趣旨に賛同いただき、実現にひとかたならぬご尽力、ご協力をいただきました11人の作家の皆様に、深く感謝申し上げます。
川崎市市民ミュージアム
2008年正月
「写真ゲームの地平へ」
報告者 深川雅文 (川崎市市民ミュージアム 学芸員)
日本の現代写真は、20世紀末から21世紀初頭にかけて、激変の時期にあると言えるかもしれません。その様相を、ここでは、何人かの現代の写真家たちの作品をご覧いただきながら、二つの側面から紹介したいと思います。そのひとつは、風景をテーマにした写真に見られる「場の意味の変容」であり、もうひとつは「写真のゲーム化」という現象です。
Towards a Game of Photography
Masafumi Fukagawa
Curator, Kawasaki City Museum, Japan
Since the end of the 20th century up to this point early in the 21st, contemporary photography seems to have been undergoing a major shift. Today I would like to discuss two conspicuous aspects of this shift by showing you work by a number of Japanese photographers. One aspect is “change in the meaning of place,” the other is “photography turning into a game.”

