大島康幸展

第2章 「時間ときの衣」

運動する人体の姿を表したシリーズ。人体が動いた軌跡がなめらかに彫り上げられるとともに、彩色は最小限に抑えられ、動いていた時間そのものに意識が向かうようです。

発表は「FAKE FUR」シリーズ発表から2年後の2005年ですが、制作は「FAKE FUR」シリーズと同時期に進められていました。初期に挑んでいた人体彫刻の表現を模索していたのです。きっかけは制作のために描いた1枚のドローイング。慎重に描いたゆえにイメージから離れてしまった形に、乱暴に線を重ね、そして消し跡をつくる。こうした「説明的でない線や形の痕跡が(中略)人間の形をリアルに描きだし」(※1)ていると気付いたのです。大島の人体彫刻のリアルは、「流動的な時間という衣装を身に纏った身体そのものの存在感」(※2)にあったと言えるでしょう。

ここでは、作品とともにドローイングもあわせて紹介します。画面に走る線や陰影の強弱は、こうした大島の言葉に対する説得力と、彼の「リアル」をより深く探るヒントを与えてくれます。

(※1)(※2)「時間の衣 2005 ーhumans in motionー」(アトリエ・ジム、東京、2005年9月26日~10月15日)展覧会テキスト

T1 時間の衣 1996

T2 時間の肖像

T3 椅子を纏う

T4 黒を纏う no.1

T5 Dance no.3

T6 Dance no.1

T7 「時間の衣」のためのドローイング no.1 1996

T8 ドローイング-手-1996

T9 「時間の衣」のためのドローイング no.2 1996

T10 「時間の衣」のためのドローイング no.3 1996