大島康幸展

第4章 川崎市市民ミュージアム

2019年の令和元年東日本台風で被災し、施設の休館が続いている川崎市市民ミュージアム。

浸水の影響を強く受けた地下階に対し、展示室やライブラリがあった地上階はほとんど影響を受けませんでした。しかし停電などが続いていることから、館内での博物館活動はほぼ停止。展示室内は、作品や資料が撤去され、もちろん来館者もいない空っぽの状態です。それでも、ピン穴の残る壁面やクロスの擦れた展示台など、展覧会の痕跡に、ミュージアムを訪れた多くの方々の笑顔や真剣な眼差しを、今でも感じることができます。

今回、この展示室に大島の「FAKE FUR」シリーズから18点を展示しました。来館者という、展覧会にとっては実体のひとつと言える要素を失い、痕跡だけが残る展示室で、それらの作品は何を問いかけてくるのでしょうか。この場所にミュージアムが存在する「リアル」とは何か。その答えを、私たちは考え続けます。

▲作品配置図