ブルーノ・ムナーリ

PLAY_アートと遊ぼう

ゼログラフィーア

カラーコピー機の原稿台に図版をおいて読み取り中に動かす、本来のコピー機の使い方ではない方法で、新しいイメージをつくります。


m_ws03.jpg

コピー機は、どんな種類のものであれ、元の原稿をできるだけ精密に再現するように設計されています。コピー機の品質の良し悪しは、この原稿の再現の正確によります。ですから、コピー機の宿命は再現能力と生産性なのです。
ムナーリは、コピー機のこの複写機能に着目して、コピー機からまったく異なった機能を引き出してしまうのです。いろいろものをコピー機のガラス板の上において、移動するコピー機の光の流れとともに、原稿を思いのままに動かします。すると、コピーされた図像には、二度と再現できない不可思議な絵柄や模様が生み出されます。それは流動感にみちた鮮やかなひとつの独立した表現作品となるのです。原稿を忠実に複写・複製を生み出すというコピー機で作ったものなのに、できあがったのは、たった一点しかないオリジナル作品になるのです。これは、正確に複数のコピーを生み出すコピー機の機能を変質させたともいえます。機械が人間に奉仕したのです。