ブルーノ・ムナーリ

MUNARI50_ムナーリ50

グラフィックデザイン

ムナーリは、1930年代からさまざまな雑誌、本などのグラフィックデザインの仕事をしています。彼の制作活動の中で一番多くの割合を占めたのがグラフィックで材員の仕事と言えるでしょう。しかし、ここでも他の活動と同様に、さまざまな実験的な仕事をしています。たとえば、「カンパリ」という大変良く知られたお酒の会社のロゴタイプを切りつめたり、隙間をあけたり、他の字体をコラージュしたり、コピーでわざと文字をゆがめるなどのいろいろな技法を駆使して、その意味が読みとれるぎりぎりのところまで、可能な限り、文字のデザインを試みています。また、雑誌や本の表紙などでは、赤、黄、みどり、青など純色を配した色相環のグラデーションや補色を巧みに使って、読者の目をひきつけています。
今回の展示では、「カンパリのロゴ」の他に数多くの絵本や著作、1960年代に出版された「今月の1冊」シリーズの本の表紙やイラストレーションなどがあります。


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「未知の国の読めない文字」
わたしたちはアラビア文字、あるいはコプト文字、あるいは未解読のマヤ文字などを見ると、たとえ読めなくてもなにか意味を伝えようとする記号のように見えてきます。それはその言葉を発明した人びとがそれを使って意思の伝達をしていたからです。そして解釈はできなくても、デザイン的な観点から見ても、文字は簡潔で美しい形をしています。これはムナーリが発見した、いつの日にか解読されるのを待っている想像上の文字です。しかし見ていると、なにか意味を伝えようとしているように感じます。


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「空想上のオブジェの理論的再構成」
この作品は、考古学の科学的に厳密な復元手続きに触発されたムナーリの想像力が産み出したものです。ばらばらで一部分しか出土されていない発掘品を復元するには、考古学の厳密で科学的な方法によります。考古学の場合は実際の出土品を対象にして、原形を復元するというものです。しかしムナーリは、何処にもない想像上の事物をあたかも発掘したかのように線や色彩や形など造形的な要素を理論的に使って、復元しようと考えて制作したのが、この作品です。空想や着想が想像力を刺激して、新しい形が生み出されるのです。


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「陰と陽」
平面作品の前景・後景の問題を幾何学的形態と色彩とで説明している作品。視点によって前景が後退したり、後景が前に出てきます。幾何学的な要素だけで描かれているために、感情移入なしで色と形による作品が楽しめます。


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「祖先の重み」
生まれたばかりの赤ん坊の顔を見ていると、毎日、おじさん、おばさんなどの顔に似て見え、親戚を一巡するといいます。ムナーリは、正面から見た人の顔を直線、曲線、さまざまな色などを使って描いている。この作品は、遠い祖先からの顔が1枚の画面の中に幾重にも重なりあい、今の私たちを描いているようです。


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「おたがいに見つめあおう」
私たちは、四角い紙に目と口の位置に三つの点があれば顔と認識することができます。ムナーリは「祖先の重み」で発見した顔の記号論とでもいうべき考えをもとに、色や質感の異なるさまざまな紙に可能な限りいろいろな線を使って万人の顔を描き出しています。