写真ゲーム
ARTIST TALK_作家トーク
作家トークNo.8 前沢知子(3) 「ケータイ写真的な身近な要素が、最初の頃とはずいぶん違うと思います…」
ー「私の作品を見つけてください」というシリーズは、ちょうど2000年に生まれました。7年前と今との違いを考えてみるとですね、私たちが何か撮影するということに関しましても変化があります。いまやデジタルカメラが普通になってきましたよね。2000年頃だと非常に簡便な「写ルンです」とかがポピュラーでした。今では、携帯電話に付いたカメラでの撮影が普通になっています。そういう変化は、作品づくりに関係しているのでしょうか。
前沢:はい。ケータイもそうですし、コンピュータも浸透してインターネットを介する情報のやりとりが当たり前になりました。こうした変化は写真のありかたに影響を与えています。メディア自体が加工されるものだということ、自分が撮ったものが、そのまま加工なしに提出されるわけではないところにメディアや写真が来ています。たとえば、年賀状作りでは、撮ったものを加工して、自分が一番いいと思う子どもの姿であったりとか、余分なものをカットやトリミングして、いろいろ付けたりして。加工することが前提となって入ってきています。今後は、そういう部分を取り込んでこの作品は成長するかもしれません。時代がすごくデジタルで、自分の家のコンピュータで写真を取り込んで修正するということが当たり前になっているので、写真の現実、リアリティ、写真は絶対的な現実が写されているという前提が既に覆された時代にこれからは入っていると思います。ある意味、写真の面白い時代に入るのかなと──
三回目のワークショップで撮影されたスライドを選び、構成する作業を行っている前沢さん
ーそうしたことを前提にして写真を見る、使うということでより自由になる時代かなというふうな感じがします。この展覧会を企画してみて感じたことでもあります。作家の方はもちろん、一般の方々の中にもそういう受け止め方が自然に出てきているように思われます。
前沢:そうなんです。今回のワークショップは、2000年にやった時と違っていて、参加者が撮影するときに飾らないのです。カメラをお渡しすると、「写真を4コマ撮るんですね、はい、それでは」という感じですぐ撮ってすぐ渡すというかな。自分の手から撮った写真を離すことにもほとんど抵抗がないし、手が加えられるだろうなということに対しても「それが当たり前」という意識の中で了解ずみではじめから参加する。実際には加工してないんですけど、加工されてもかまわない…そういう意識でこのワークショップに参加された方は、今まではいなかったと思います。写真に関する社会の前提がすでに大きく変わってきています──ケータイ写真的な身近な要素が、最初の頃(2000年)とはずいぶん違うと思います。
ー「私の作品を見つけてください」は、時代の変化を反映しながら、新たな展開を見せるかもしれませんね。


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