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作家トークNo.7  折元立身(2)「僕のパフォーマンスは、すべてのものが写真の媒体として残っています」

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「処刑ーパン人間」パフォーマンスの模様 川崎市市民ミュージアム・企画展示室にて 2004年6月

ー写真のことについてお聞きしたいと思います。渡米してフルクサスグループと出会われてパフォーマンスを本格的に始められるわけですが、その最初期、1972年くらいからすでにしっかりと写真で記録されています。しかもたんなる記録ではなく、絵的な表現として。つまり、折元さんのパフォーマンスの作品は、最初から写真の力というのを意識されているように思うんですけどいかがですか? パフォーマンスアートの歴史を見て行くと記録写真みたいなのはあるんです。たとえばオノ・ヨーコの記録写真みたいな、新聞に添えられるような記録写真はあるんですが、そういうのとは違う、表現の意志を持った写真を最初からご自身のパフォーマンスの仕事のなかに組み込んでいらっしゃるような感じがするんですけどいかがでしょうか?

折元:そうですね。たしかに、僕はベーシックにはパフォーマンスという、身体で表現することをアートとしています。ただ、僕の作品として、作品を残す。ドローイングであったり、オブジェであったり写真であったり。いろんなマテリアルで発表しています。その中のひとつとして写真は重要なのです。実は、僕は日本のいろんな芸術大学を受験してすべて落っこっちゃったんです。落ちこぼれでした。油絵で、全部絵画で受験しています。だから僕はドローイングとかデッサンとか、油絵を志望した浪人生として長く勉強しました。その影響かもしれませんが、パフォーマンスをやるにしても、ひとつ絵的なものとして残してやろうとする気持ちがあります。写真にもそういう狙いがあります。今度ベルリンの写真のミュージアムで回顧展が計画されています。僕の写真はパフォーマンスの写真なのですが、ヨーロッパではいわゆる写真写真していなくても、写真が媒体であれば美術館で展示できる、そういう時代に来ています。だから僕の作品も、ベルリンの写真のミュージアムで展覧会をやるという話が出るわけです。僕の写真はたしかにドキュメンタリーです。たとえば「パン人間」をやっていても全部ドキュメンタリーですよ。今回サンパウロで発表した写真も、ドキュメントです。それを500点くらい展示しています。バーッと映画のスチールを見るような感じです。アクションしているのが全部見れるんですね。すべてを写真として残すのです。そして、写真として売る。たとえば、オノ・ヨーコがオッパイ出してテレビ付けてるパフォーマンスがあります。彼女のこのパフォーマンスには二、三点の写真がよく使われ、新聞に載ったり、記録として残っていますけどそれだけなんです。僕のパフォーマンスは、すべてのものが写真の媒体として残っています。

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パフォーマンス終了直後の模様。「26人のパン人間」は、長崎キリシタンの殉教者「26聖人」にインスピレーションを得ている。

ー2006年、折元さんは、自分のパフォーマンスの全記録を収めたカタログ“ORIMOTO TATSUMI Perofrmance Raisonne”  を出版されました。パフォーマンスと写真を最初からしっかりと結びつけてやってこられたからこの本が可能となったのではないでしょうか。パフォーマンスアーティストとしては独自な行き方をされてきたのかもしれません。1999年に東京現代美術館で、「アクション: 行為がアートになるとき」というライブアートの大規模な展覧会がありました。とても素晴らしい展覧会でしたが、写真とパフォーマンスを折元さんにように密接に結びつけた写真は少なく、やはり記録的な写真が多かったと思います。ヨーロッパでは、80年代からパフォーマンスを写真表現として発表する流れもありますけど、それを70年代の初期からやってこられたというのが、カタログとしてまとめられる原動力なのではないでしょうか。しかも、その写真にはいろいろな方が撮影者として関わられています。後に結構、写真家として著名になられる方も撮っていらっしゃったりして…誰とは申しませんが。今日も、実は、写真ゲーム展の展示作家のおひとりでいらっしゃる北野謙さんにさりげなくお願いして撮ってもらったりしています(北野さん、ありがとうございます)。折元さんにとっては、誰が撮ったのかというのは、あまり関係──

折元:うん、関係ないね。そんなの関係ない! (と、小島よしおの真似で)。

ー写真とパフォーマンスを結びつけた表現になっているので、サンパウロ美術館をはじめ海外で、さまざまな展示が可能になってきていますよね。その意味でも、写真をパフォーマンスの表現に密接に組み込んできた折元さんの戦略が徐々に機能しつつあるように思われます。

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